就労移行支援
アイトライでは、就職ができればどこでもよいという考えではなく、本人が希望する職種や長所を生かせる仕事に就けるように支援することを重視しています。
こんにちは。アイトライさいたまセンター訓練生の?です。
11月11日に行われたアイトライの土曜日のイベントで上野の森美術館で開催されている「怖い絵展」を見にいったのでその事について書きます。
大変人気のある展覧会なのでご存知の方も多いと思いますが、まず、おさらいから。
2007年に日本のドイツ文学者で早稲田大学講師の中野京子氏が「怖い絵」という美術の解説本を出版した事から始まります。
「怖い絵」シリーズは、全5冊刊行。美術の解説書が一般の人に読まれヒット作なる事は大変珍しい事の様です。
今回の展覧会は、本で解説されていた、あの「怖い絵」を実物で鑑賞という企画です。
展覧会は、6章構成になっており、1章が神話と聖書、2章が悪魔、地獄、怪物 3章が異界と幻視4章が現実、5章 崇高の風景、最後6章が歴史です。
目玉作品は、「怖い絵展」のパンフレットにもなっている「レディー・ジェーン・グレイの処刑」です。
9日間だけ女王の座にあった女性の処刑前を描いた作品です。
すでに関西で開催されて25万人以上を集めた展覧会で、関東近郊の人にとっては、あのヒットした「怖い絵」という本の、あの25万人集めた企画展が上野の森美術館にという2重に満を持して登場となる訳で行列も当然といった状況です。
また普段美術を鑑賞しない人が一杯来ているからですね。
美術館に普段行かない人を引き付ける要素といえば
有名画家の有名な作品が来る事でしょう。レオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザ、ゴッホのひまわり。
そんな誰もが知ってる名画は「怖い絵展」には来ていません。
しかし、「怖い絵展」の売りは、あの超有名名画が日本上陸って所じゃないんです。
印象派の巨人ポール・セザンヌの作品が特にセザンヌをアピールする事なく置かれている位です。
では人を引き付けるため「怖い絵展」が提供した物とは、なんなのか?
それは視点と物語だと思います。
「怖い絵展」に生首や処刑場面の様なシンプルに「怖い絵」の数は少なく多くの絵画は美しく平和的で全く怖さを感じません。
しかし解説のパネルを読みこの絵が何をしている場面なのか、この後どうなるのか?という視点
絵画に塗り込められた物語を知ってしまうと後戻りは出来ません。
さっきまで美しかった絵画に描かれた場面が一転、印象を変え、こちらにせまってきます。
美しく見えていた一瞬前の記憶からの落差で感じる衝撃も倍増です。
例えば火鉢で暖を取りながらベッドに横たわる老婆の絵画、
解説にはこうあります。火鉢を使い中毒死をするこの時代の自殺方法とあり老婆の自殺の場面という事がわかります。この解説を見てから絵を見直すと老婆の表情から諦めや厭世が読み取れるような気がしてくるのです。
こういった謎解きの様な要素もあり楽しめます。
美術や芸術、クラシック音楽等の詳しい人に芸術の鑑賞方法を聞くと「心のままに感じたままで良いんです。」と煙に巻かれる様な返答された事ってありませんか?そんな事言われてもと戸惑いながら名画の前に立ち、これは名作なんだ、だから電流が走る様な感動が俺を襲うはずだ!来い!来い!と自分に暗示をかける事に疲れ果て美術館を出た事のある人にオススメしたい展覧会です。
その点「怖い絵展」は物語(ストーリー)を味わう展覧会です。
「怖い絵展」は実は怖さが売りでは無くて、この絵のどこが怖いんだろう?どういう意味で怖いのだろうという好奇心を刺激するから大盛況なのではないかと感じました。
次はどんなタイプの「怖い絵」なんだろうとワクワク出来る事間違いなしです。
どの絵をみても超有名な作品はなく「怖い絵」という視点で展覧会に一本芯を通した学芸員の方には頭が下がります。キュレーションってこうやるんだよと教えられた様な展覧会でした。
今回の芸術鑑賞の様なプログラムがあったら是非また参加したいです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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