就労定着支援の期間や内容を詳しく解説！

就労定着支援は、障害のある方が安心して長期的に就労を継続できるよう支援する福祉サービスです。2018年4月に開始されたこの制度は、一般企業で就労する障害者を継続的にサポートします。就労移行支援や就労継続支援とは異なり、実際に職場に入った後の支援に重点を置いています。

「これから一般就労を予定している」「現在就労しているが課題や不安がある」という方にとって、有効な支援となるはずです。本稿では、就労定着支援の期間や内容について詳細に解説いたします。

就労定着支援とは

就労定着支援は、2018年に創設された障害福祉サービスの一つです。このサービスは、障害のある方が一般企業で長期的に就労を継続できるよう支援します。新しい職場環境では、業務内容や人間関係など、不慣れな要素が多く存在し、生活リズムの乱れや体調不良を引き起こす可能性があります。就労定着支援は、このような問題の解決を支援します。

専門の支援員が障害のある方と企業の間に立ち、課題やトラブルの解決を支援します。例えば、業務の遂行方法に関する相談対応や、職場でのコミュニケーション改善のアドバイスなどを行います。

このサービスの目的は、障害のある方が職場環境や業務内容に適応し、長期的かつ安定的に就労を継続できるようにすることです。支援員は定期的に職場を訪問し、必要な助言や相談を行い、障害のある方の就労を継続的にサポートします。

就労定着支援の対象者

就労定着支援の主な対象者は、障害福祉サービスを通じて一般企業に就職した方です。例えば、就労移行支援や就労継続支援を利用して就職した方が該当します。また、就職後に生活面で課題が生じた方も利用することができます。

就労定着支援の対象者には、身体障害、知的障害、精神障害など、様々な障害のある方が含まれます。障害の種類や程度に応じて、個別化された支援が提供されます。

また、現在休職中の方でも、所定の要件を満たす場合は利用可能です。復職した際には一般就労への移行者として扱われ、支援を受けることができます。

就労定着支援の期間について

就労定着支援には定められた期間があります。ここでは、開始時期、利用可能期間、そして終了後の流れについて説明いたします。

就労定着支援の開始時期

最初の6ヶ月間は、これまで利用していた就労移行支援などの事業所が支援を行います。就労開始から7ヶ月目以降、就労定着支援が開始されます。この最初の6ヶ月間は、新しい職場環境に適応するための重要な期間です。就労移行支援事業所などが引き続き支援を行うことで、円滑な職場適応を促進します。7ヶ月目からの就労定着支援では、より長期的な視点での支援が開始されます。

就労定着支援の利用可能期間

最長で3年間利用可能です。ただし、1年ごとに更新が必要となります。1年経過後、支援の継続必要性を評価し、必要と判断された場合は再度1年間の利用が可能となります。このように、最大3年間の支援を受けることができます。

3年間という期間は、職場に十分に適応し、安定的に就労できるようになるための時間として設定されています。ただし、全ての方が3年間の支援を必要とするわけではありません。支援の必要性は個々の状況に応じて判断されます。

就労定着支援の終了後について

3年間の就労定着支援が終了しても、さらなる支援が必要な場合があります。そのような場合は、障害者就業・生活支援センターなどの支援機関を利用することができます。これらの機関では、就労に関する事項だけでなく、生活全般についての相談にも対応いたします。

就労定着支援の終了後も、必要に応じて継続的な支援を受けられる体制が整備されています。これにより、長期的な就労の継続をサポートします。

就労定着支援の具体的な内容

就労定着支援では、就労者を様々な形でサポートいたします。職場での課題から日常生活の悩みまで、幅広い支援を受けることができます。

職場での支援内容

職場での支援では、支援員が定期的に企業を訪問いたします。そこで就労状況を確認し、課題の有無を聴取いたします。例えば、業務の遂行方法に不明点がある場合は共に検討し、職場でのコミュニケーションに課題がある場合は改善方法をアドバイスいたします。

具体的には、以下のような支援が行われます。

• 業務の手順や内容の理解促進
• 職場でのコミュニケーションスキル向上支援
• ストレス管理方法の検討
• 職場環境の調整に関する企業側との協議
• 障害特性に応じた業務構築の提案

これらの支援を通じて、職場での困難を軽減し、就労しやすい環境づくりを目指します。

日常生活での支援内容

就労を継続するには日常生活の安定も重要です。例えば、規則正しい生活リズムの維持が困難な場合、その改善をサポートいたします。また、金銭管理や健康管理についても相談が可能です。

日常生活での支援には次のようなものがあります。

• 生活リズムの改善支援
• 金銭管理のアドバイス
• 健康管理や服薬管理のサポート
• 余暇活動の提案や支援
• 家族とのコミュニケーション支援

これらの支援により、就労と生活のバランスを整え、安定した就労継続を目指します。

関係機関との連携支援

就労定着支援では、様々な機関と連携して支援を行います。例えば、医療機関と連携して健康管理をサポートしたり、障害者就業・生活支援センターと協力して生活面での支援を行ったりいたします。必要に応じてご家族とも連絡を取り、家庭での状況を確認しアドバイスを行います。

連携支援の例としては以下のようなものがあります。

• 医療機関との連携による体調管理
• 福祉サービス事業所との情報共有
• 行政機関との連携による各種制度の活用
• 地域の社会資源の紹介や利用支援

このような多角的な支援により、就労の継続と生活の質の向上を図ります。

就労定着支援の利用方法

就労定着支援を利用するには定められた手順があります。ここでは、申し込みの方法や費用について説明いたします。

就労定着支援の申し込み手順

就労定着支援を利用するには、まず市区町村の窓口に相談し、障害福祉サービス受給者証の申請を行います。次に、利用を希望する就労定着支援事業所を選定いたします。事業所を見学し、提供される支援内容を確認した上で決定いたします。事業所が決定したら契約を締結し、個別の支援計画を作成して支援が開始されます。

申し込みの流れは以下の通りです。

1. 市区町村の窓口への相談
2. 障害福祉サービス受給者証の申請
3. 就労定着支援事業所の選定と見学
4. 事業所との契約締結
5. 個別支援計画の作成
6. 支援開始

この流れに沿って手続きを進めることで、円滑に支援を受け始めることができます。

就労定着支援の費用

就労定着支援の費用は、原則として利用者が1割、残りの9割を自治体が負担いたします。ただし、前年の世帯所得によって自己負担の上限額が設定されています。例えば、生活保護受給者の場合、利用料金の負担はありません。具体的な金額は個人によって異なるため、詳細はお住まいの自治体の窓口にお問い合わせください。

費用負担の仕組みは以下の通りです。

• 原則として利用者負担は1割
• 世帯の所得に応じて負担上限月額が設定される
• 負担上限月額を超えた分は自治体が負担
• 生活保護受給者は利用料金の負担なし

このような仕組みにより、必要な方が必要な支援を受けられるよう配慮されています。

就労定着支援と他のサービスの違い

他の就労支援サービスとは異なる特徴があります。ここでは、類似するサービスとの違いを説明いたします。

就労移行支援との違い

就労移行支援は、これから一般就労を目指す方のためのサービスです。就労に必要な知識や技術を習得したり、就職活動のサポートを受けたりします。一方、就労定着支援は、既に一般就労を開始した方のためのサービスです。就労を長期的に継続できるようサポートいたします。通常、就労移行支援で就職した後、必要に応じて就労定着支援を利用する流れとなります。

就労移行支援と就労定着支援の主な違いは以下の通りです。

このように、就労の各段階に応じて適切な支援を受けることができます。

ジョブコーチ支援との違い

ジョブコーチ支援は就労定着支援とは異なり、障害者の職場適応と能力開発を専門的に支援する役割を担っています。また、利用期間も異なります。就労定着支援の利用期間は3年で、就労移行支援事業所で利用できます。これに対し、ジョブコーチ支援の利用期間は8カ月と短期間の支援です。

ジョブコーチ支援と就労定着支援の主な違いは以下の通りです。

これらの違いを理解し、個々の状況に応じて適切なサービスを選択することが重要です。

まとめ

就労定着支援は、2018年4月に開始された、障害のある方が一般企業で長期的かつ安定的に就労を継続できるよう支援するサービスです。職場での支援、生活面での相談、関係機関との連携など、包括的なサポートを提供いたします。

利用には条件がありますが、個別の状況に応じた支援計画が策定され、定期的な見直しも行われます。費用は原則1割の自己負担ですが、世帯所得により変動いたします。

アイトライは、さいたま市を拠点に就労移行支援、就労定着支援、リワーク支援など、総合的な就労サポートを提供しております。「主体的に前向きに挑戦し続ける心」を大切にし、個々のニーズに合わせた支援を行っております。障害のある方の就労に関するご相談がございましたら、ぜひアイトライにお問い合わせください。