就労移行支援
アイトライでは、就職ができればどこでもよいという考えではなく、本人が希望する職種や長所を生かせる仕事に就けるように支援することを重視しています。
適応障害は特定のストレスによって心身にさまざまな症状が現れ、日常生活や仕事に影響が出ることがある精神障害です。適応障害の方が長く安定して働くためには、自分に合った仕事や職場環境を見つけることが求められます。この記事では、適応障害の方におすすめの仕事や、仕事選びのポイント、利用できる支援制度について解説します。
適応障害の方が仕事を探す際には、自分のストレスを感じやすい場面を避けて、落ち着いて取り組める仕事を選ぶことが重要です。ここでは、おすすめの仕事を具体的にご紹介します。
適応障害の方には、自分のペースで仕事を進められる環境が向いています。データ入力や資料作成などの事務職は、他の人との関わりが少なく、自分のペースで業務を進めやすい仕事です。公的機関の事務職員も安定した環境で働くことができます。在宅でできるWebライターやデザイナーの仕事も、時間や場所にとらわれずに働けるため、おすすめの職種といえます。
一般的な事務職の中でも、特に書類整理やファイリング、データの集計作業などは、他者との関わりが少なく集中しやすい業務です。在宅ワークでは、自分の体調に合わせて仕事時間を調整できるメリットがあります。また、自分の得意分野を活かせるWebライターやデザイナーの仕事は、クライアントとの直接的なやり取りが少なく、作業に専念できる環境を作りやすいです。
決まった手順や方法で行う定型的な業務は、適応障害の方に向いています。工場でのライン作業や清掃業務、警備員の仕事などは、毎日同じような流れの業務であるケースが多いです。このような仕事は予測可能な業務内容のため、心理的な負担が少なくなります。
工場での製品検査や組立作業は、手順が明確で予測可能な業務です。また、スーパーマーケットでの品出しや在庫管理なども、決まった手順で進められる仕事であるといえます。
資格や専門知識を活かせる仕事も、適応障害の方におすすめです。資格を持っていると、自分の専門分野に集中して働くことができます。また、専門性があることで職場での立場も明確になりやすく、業務範囲も明確です。ただし、専門職でも人との関わりが多い医療や介護職は、ストレスを感じやすい可能性があるため、自分の特性をよく考える必要があります。
資格を活かせる仕事としては、会計事務所での経理業務や、システムエンジニアなどの技術職が挙げられます。これらの仕事は、自分の専門分野に特化して働くことができ、業務の範囲も明確です。ただし、システムエンジニアの場合は、締め切りに追われるプロジェクトなどでストレスを感じる可能性もあるため、職場環境や働き方は事前によく確認しましょう。
適応障害の方が長く働き続けるためには、自分に合った仕事を慎重に選ぶことが大切です。仕事を選ぶ際の重要なポイントをお伝えします。
適応障害の方は、自分がどのような場面でストレスを感じやすいのかを把握することが重要です。例えば、対人関係に強いストレスを感じる方は、人との関わりが少ない仕事を選びましょう。
突発的な対応を求められることがストレスになる方は、定型的な業務が中心の職場がおすすめです。ストレスの原因が分からない場合は、支援機関に相談して一緒に考えることもできます。
適応障害の方には、柔軟な働き方ができる職場環境が適しています。フレックスタイム制やリモートワークが可能な職場は、体調に合わせて勤務時間を調整しやすいです。また、休憩を取りやすい環境や、時短勤務の制度が整っている職場も働きやすいでしょう。
障がい者雇用枠での就労も選択肢の一つです。職場の理解があり、合理的配慮を受けやすい環境で働くことができます。
職場の物理的な環境や通勤時間も、仕事を続ける上で重要な要素です。通勤時の満員電車や長時間の通勤は、想像以上にストレスの原因となります。
また、職場の騒音や人の出入りが多い環境も、気になる方がいます。自分が落ち着いて働ける環境を考えて、職場を選びましょう。産業医がいる職場やメンタルヘルスケアの体制が整っている企業も、安心して働ける環境といえます。
職場の照明や空調、デスクの配置なども、快適に働くための重要な要素です。特に、感覚過敏がある方は、職場の環境音や視覚的な刺激に敏感な場合があります。面接時に職場見学ができる場合は、実際の環境を確認することをおすすめします。
適応障害の方の就労を支援するさまざまな制度があります。これらの制度を上手に活用することで、より安定した就労が可能です。
就労移行支援事業所は、障がいのある方の就労をサポートする施設です。職業訓練や就職活動の支援、就職後の定着支援まで、総合的なサポートを受けることができます。具体的には、パソコンスキルの習得や職場でのコミュニケーション訓練、面接練習などです。
また、自己理解を深めるためのプログラムやビジネスマナーの習得、作業訓練なども提供しています。利用期間は標準で24か月です。就職後も定期的な面談や職場訪問によるサポートがあり、長く安定して働くための支援を受けられます。
適応障害の診断だけでは障がい者手帳の取得は難しいですが、他の精神疾患と併せて取得できる場合があります。障がい者手帳を持っていると、障がい者雇用枠での就労が可能です。職場での合理的配慮を受けやすくなり、通院のための休暇も取得しやすくなります。
交通機関の運賃割引や税制上の優遇措置など、様々な福祉サービスの利用もできます。手帳の取得に関する相談や申請手続きについては、主治医や地域の保健福祉センターに相談してみましょう。
その他にも以下のような支援サービスがあります。
地域障がい者職業センター | 職業評価や職業準備支援、ジョブコーチ支援などのサービスを受けられます。職業評価では、作業遂行力や対人技能などを確認し、自分に合った仕事を探すためのアドバイスを受けられます。 |
障がい者就業・生活支援センター | 就労面と生活面の両方から支援を受けられ、日常生活の安定と職業生活の充実を図ることができます。 |
ハローワーク | 障がいのある方向けの専門窓口があり、職業紹介や職業訓練の案内を行っています。 |
転職エージェント | 障がい者雇用に詳しい転職エージェントを利用することで、より専門的な就職支援を受けることも可能です。 |
適応障害があっても、自分の特性に合った仕事や働き方を見つけることは十分に可能です。マイペースに取り組める仕事や定型的な業務、専門知識を活かせる仕事など、様々な選択肢があります。仕事選びは自分のストレス要因を理解し、働き方や職場環境にも注意を払うことが大切です。就労移行支援事業所や障がい者職業センターなど、多くの支援制度を活用できます。
就労に関する不安や悩みがある方は、適応障害の方の就労支援の実績が豊富なアイトライ浦和センター(旧:アイトライさいたまセンター)へご相談ください。就労移行支援の専門スタッフが、あなたの状況や希望を丁寧にお聞きしながら、安定して働ける職場を一緒に探していきます。