就労移行支援
アイトライでは、就職ができればどこでもよいという考えではなく、本人が希望する職種や長所を生かせる仕事に就けるように支援することを重視しています。
一般企業への就職を実現した、障がいのある方の職場定着をサポートする就労定着支援制度。2018年に創設されたこの制度は、働く方の生活面での課題解決をサポートする重要な役割を担っています。この記事では、就労定着支援の対象者や支援内容について詳しく解説します。
就労定着支援は、一般企業で働く障がいのある方が長く安心して働き続けられるように支援する制度です。2018年の制度開始以降、多くの方がこのサービスを利用して、職場での活躍を実現しています。
就労定着支援の主な目的は、障がいのある方が一般企業で安定して働き続けられる環境を整えることです。企業での仕事を始めると、通勤や仕事の時間管理・職場でのコミュニケーション・体調管理など、新しい生活環境での課題が出てきます。
就労定着支援では、専門のスタッフが定期的に相談に応じて、これらの課題を一緒に解決していきます。支援員は職場や利用者の自宅を訪問したりしながら、きめ細かいサポートを行います。
就労定着支援は障害者総合支援法に定められた障害福祉サービスの一つです。この制度が生まれた背景には、民間企業における障がい者雇用率が2%から2.3%に引き上げられ、一般就労する、障がいのある方が増加した背景があります。
障害者総合支援法では、障がいのある方の就労支援として、就労移行支援や就労継続支援A型・B型などのサービスも定められています。就労定着支援は、これらのサービスを利用して一般就労を実現した方への、継続的な支援を行うものとして位置づけられています。
一般就労を始めると、職場での人間関係や仕事の進め方・生活リズムの維持など、様々な課題に直面します。就労定着支援は、こうした課題に対して包括的なサポート体制を整えています。
このサポート体制によって、職場での悩みや不安を一人で抱え込まずに済むようになりました。支援員は月に1回以上、利用者と面談を行い、職場や生活面での困りごとについて話し合います。
就労定着支援は、就労系の福祉サービスを利用して一般企業に就職した障がいのある方を支援するサービスです。利用には一定の条件があり、必要な手続きを経て、支援を受けられます。
就労定着支援の対象となるのは、就労移行支援や就労継続支援・生活介護・自立訓練などの障害福祉サービスを利用して、一般企業に就職した方です。これらのサービスでは、就職に向けた訓練や職場体験などを通じて、働くために必要な知識や技術を身につけます。
一般企業への就職が決まった後も、新しい環境に慣れるまでには時間がかかるものです。就労定着支援では、これまでの支援で培った経験や知識を活かしながら、職場での生活が安定するまでしっかりとサポートします。
就労定着支援は、一般就労を開始してから6ヶ月経過後から利用可能です。就職直後の6ヶ月間は、就労移行支援事業所など、これまで利用していた事業所が継続して支援を行います。
この期間に職場での基本的な生活リズムを整え、仕事に慣れていくための支援を受けます。6ヶ月が経過し、職場での基本的な生活が安定してきた後は就労定着支援に移行して、より長期的な視点での支援を受けられます。
職場での生活を継続していく中で、仕事の内容が変わって戸惑いを感じたり、職場での人間関係に悩んだりといった不安を感じることもあるでしょう。就労定着支援では、このような職場生活を送る上での課題に対して、継続的な支援を必要とする方をサポートします。利用者と定期的に面談を行い、困りごとや不安を一緒に考えます。
就労定着支援では、働く障がいのある方の職場生活を総合的にサポートします。ここからは、就労定着支援で受けられる具体的なサポートについて解説します。
就労定着支援では、専門の支援員が月に1回以上、職場を訪問して支援を実施します。訪問時には仕事の様子を確認し、職場での困りごとについて話し合います。職場での人間関係や仕事の進め方・体調管理など、様々な面での相談に対応します。
また、企業の担当者とも定期的な話し合いの場を設け、職場環境の調整や必要な配慮について検討していきます。支援員は利用者と企業の橋渡し役として、双方の立場を理解しながら、より良い職場環境づくりに取り組んでいます。
働く上で大切なのは、安定した生活リズムと健康管理です。就労定着支援では、規則正しい生活習慣を保てるよう、具体的なアドバイスを提供しています。たとえば、決まった時間に起床して出勤する習慣づくりや、仕事に必要な睡眠時間の確保など、基本的な生活リズムを整えるサポートを実施します。
また、体調を崩しやすい時期の過ごし方や、ストレス解消法についても一緒に考えていきます。医療機関とも連携し、心身の健康管理をサポートしています。
職場生活を送る中では、様々な悩みや課題が出てくるものです。就労定着支援では、これらの相談に丁寧な対応を心がけています。仕事の内容や進め方について不安を感じたり、職場の人間関係でストレスを感じたりすることも少なくありません。
支援員はこうした悩みに耳を傾け、解決策を一緒に見出していきます。また、職場の担当者との話し合いの場を設け、必要な配慮や環境調整について提案を行います。相談内容は職場に限らず、給与管理や余暇の過ごし方など、生活全般に関することまで幅広く対応しています。
障害福祉サービスには様々な就労支援制度があります。就労定着支援は、一般就労後の生活面での支援に特化したサービスとして、独自の役割を担っています。
就労移行支援は一般企業への就職を目指す方へのサービスとして位置づけられています。就職に必要な知識やスキルを身につけるための訓練を行い、企業での実習なども実施します。訓練期間は原則として2年以内と定められているのが特徴です。
一方、就労定着支援は就職後のサポートを行うサービスとして機能しています。職場での生活が安定するよう、日常生活面での支援を中心に展開します。利用者は就職後6ヶ月が経過してから、最長3年間にわたって支援を受けることが可能です。
就労継続支援A型・B型は、福祉サービス事業所内での就労や、作業訓練を提供するサービスです。A型は雇用契約を結んで働き、最低賃金以上の給与を受け取ります。B型は作業量に応じて工賃が支払われ、体力や体調に合わせた働き方が可能です。これらのサービスでは、事業所内という環境で働きながら、就労に必要な知識や技術を習得していきます。
一方、就労定着支援は一般企業での就労を実現した方に特化したサポートを展開しています。両者は利用する場所や支援内容が大きく異なるのが特徴です。
地域障害者職業センターは、職業評価や職業訓練・職場適応支援などを行う公的機関として機能しています。職業訓練では、事務作業や職場でのコミュニケーションなど、必要なスキルの習得支援を展開します。
一方、就労定着支援は障害福祉サービス事業所が提供する支援として位置づけられています。月1回以上の定期的な職場訪問を実施し、日常的な生活面での課題に対応する他、医療機関や福祉サービス機関との連携を図りながら、包括的な支援を提供しています。
アイトライ浦和センター(旧:アイトライさいたまセンター)では、就労定着支援を通じて多くの方の職場定着をサポートしています。専門の支援員が定期的な訪問を行い、職場での課題や生活面での困りごとに丁寧に対応していくのが特徴です。
アイトライでは、利用者一人ひとりの状況に合わせた支援を提供し、安定した職場生活の継続を支えています。働く喜びを感じながら、いきいきと活躍できる職場生活の実現に向けて、私たちは支援を続けていきます。